ルフィ「弟?ミンゴの奴、弟がいたのか?」
ロー「そうだ、ハートの席に座っていたファミリー最高幹部で、
実力は恐らくヴェルゴ以上の人だった」
ルフィ「ヴェルゴ??誰だっけ、そいつ?」
ロー「まあいい、とにかく最高幹部の中でも、指折りの実力者だったんだ。
ドフラミンゴとほぼ変わらなかったかもな。」
ロー「俺は幼い頃、その人に人生を救われた。
それからその人に憧れて、ドンキホーテファミリーに入ったんだ」
ローの回想・・・
15年前、とある島のそばに停泊している船。
船内では、医者っぽい人がたくさん横行している。
大人「おいロー、早くメス持ってこいよ!」
ロー「ちっ、分かったよ、ホラ」
ロー「なんで俺は雑用ばっかりなんだ」
幼い頃のローは、メスをシュッと投げて渡す。
大人「うおっあぶねぇ!」
男の顔の真横にささるメス、男はビビって目が飛び出る。
大人「あぶねぇな、何すんだコノヤロー!」
それから少し顔を上げて、反抗的な目つきで大人をにらむロー。
ロー「俺だってもう十分医者の技術や知識はあるんだ!
だからそろそろ俺にも手伝わせてくれてもいいじゃんかよ、
オペだってやらせてくれよ!」
大人A「ダメダメ、お前は子供なんだから、オペなんて10年早いんだよ」
大人B「ちゃんとした医者になるにはな、資格ってものが必要なのさ」
その言葉を聞いたローは、不満そうな目で大人をにらんだあと、
後ろを向いて、しぶしぶとかえるを解剖し始める。
それを見た大人たちは、怪訝そうな顔をしている。
大人A「全く、誰に似たんだか・・・」
大人B「そうだぜ、大体船長の知り合いじゃなかったら、
あんな生意気なガキ、たたき出してるところだってのに」
大人C「船長も船長で、何を考えてるんだかね、
いくらあの医療大国ドラムの医者の息子だからって、
あんなガキんちょが船に乗るなんて、聞いてねえよ」
大人A「確かに実力はあるけどな、まだ子供だからねぇ」
ローの後ろでこそこそと噂話をする大人たち。
ここはウエストブルーにある「スラウェシ島」。
ローの乗っている船「エスポワール号」は、
多くの医者が乗っている船で、大きな島を渡り歩いては、
その島の病気や怪我を治し、報酬を受け取って生活していた。
「まったく大海賊時代が幕を開けてから、忙しくなったよ」
「やれ戦ってケガだの、航海続きで病気だの、患者は次から次へとくるもんな」
「まぁおかげで俺たちは、こんだけ儲かってるけどさ」
「全くだ、ハハハ」
ロー 「ハァ・・・」
(俺だって医者になるために一生懸命努力してきたのに、
もっといろんな人たちを助けたいのに、ここは不自由だ。
もっと俺の腕を振るえる場所はないのかな・・・)
???「どうした、ロー?」
ロー「あ、クロッカスさん」
そこにいるのは若き日のクロッカスさん。
ロー「ねぇクロッカスさん、また海賊王の船に乗ってた時の話を聞かせてよ」
クロ「またか、ローはそればっかりだな」
ロー「うん、だって俺、憧れてるんだ、クロッカスさん、
海賊王が麦わら帽子をかぶってたって本当なの?」
クロ「ああそうさ、麦わら帽を被ったアイツが、突然俺の島にあらわれてね、
初対面なのに、一緒に海賊やろう、なんて言い出すから驚いたもんだ」
ロー「クロッカスさんがくれたこの帽子も、麦わら帽子って言うんでしょ?」
クロ「いや、ちょっと違うけどな、寒い日の多いこの島じゃ、それが丁度いいだろう」
ロー「うん、俺大事にするよ、この帽子」
「ズドォォォォォン!!!」
突然大きな音が鳴り響く
「???」
・・・続く
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