【63年前 新世界 エルバフ】
??「おらっ!そのリンゴをよこせよ!」
バチン!
エルバフの子供「うわっ!なんだよ!それはおれが先に見つけたんだぞリンリン!」
リンリン「知らねぇよ・・・そんなに欲しかったら奪い返してみな!」
子供「くそっ、リンリンの奴、ちょっと体がデカいからって威張りやがって」
その後も周りの子供たちから、食べ物をせびるリンリン。
子供「ねぇパパ、どうしてリンリンだけあんなに体が大きいの?」
父親「はは、あの子はエルバフの国の人間だけど、お母さんが別の種族の人間なんだ。だから体の大きい巨人族よりも、もっともっと大きいのさ」
子供「大人になったら、もっと大きくなるの?」
父親「ああ、そりゃもっと大きくなるよ」
子供「宝樹アダムさまくらいに?」
父親「まさか、さすがにそこまではいかないさ。宝樹アダムは900年の歴史を持つ、この国の立派な木だからね」
国の中央には、巨大な木がそびえ立っている。
奪い取ったリンゴを持って、教会へと走り出すリンリン。
リンリン「マザー!」
カルメル「おや?リンリン、今日も来たのかい?」
【マザー・カルメル エルバフ教会の修道女】
リンリン「そうさ!今日もたくさんお供え物のリンゴを持ってきたよ!」
カルメル「いつも熱心だねぇ、でもまさか、盗んできたりしてないだろうな?」
リンリン「し・・・してないさ。それより今日も、お歌をきかせてくれよ」
カルメル「ちょうど今から始まるところさ、お前もこっちへ来な」
キリスト教会のような雰囲気なのに、パレードのようなミュージカルが演奏される。
ハジけて踊り出す、マザーカルメルや他の修道女、子供たち。
その様子は、ビッグマムが治めていたトットランドのよう。
お供え物を聖母の像の前に並べていくカルメルたち。
リンリン「マザー、あれもリンゴなの?」
カルメル「いや、あれは・・・昔手に入れたもので、悪魔の実と言うものさ」
リンリン「悪魔の実?」
カルメル「そうさ、食ったら海に嫌われ、泳げなくなる。これはソルソルの実と言って、人の寿命を操れるようになるが、自分の体の成長が止まってしまうのさ。お前はまだ子供だ、これからもっと大きくなるんだから、絶対に食べちゃいけないよ」
リンリン「そうか、わかったよマザー・・・それより今日はここに泊まってもいいかな?」
カルメル「ん?どうしてだい?」
リンリン「いや・・・ウチには、、帰っても誰もいないから・・・」
カルメル「ああそうだったね。いいさ、今晩はここに泊まっていきな。他のみんなと一緒にシチューを食べよう」
リンリン「ありがとう!マザー!」
【一方エルバフの港の方 】
「海賊が攻めてきたぞ~!!」
エルバフの戦士たち「お頭たちがいなくなって、もうすぐ40年か・・・」
「ああ、あの日からこの強国を手に入れようと、攻めてきた海賊たちは数知れない・・・いつになったら、お頭たちが戻ってきてくれるのやら」
「それにしても、奴らこの島の警備が薄くなってきたところをいつも狙ってきやがる。どこからか情報が洩れてるんじゃないのか?」
「誇り高きエルバフの戦士たちが裏切るとは思えんしな・・・他の島から来たのは修道女くらいだが、、ひょっとして彼女らが・・・」
「ははは!あのマザーたちがそんな事をするはずがないさ」
「それもそうだな、ひとまず港へ加勢に行くぞ!」
話の流れについて(あくまで予想です)
・ビッグマムは元々巨人族だったが、ソルソルの実を食べた事で体の成長だけが止まってしまった
・エルバフには宝樹アダムが存在している
・ビッグマムのミュージカル的なシーンは、マザーカルメルに影響を受けたもの
・ビッグマムは両親がいなくて、よくマザーに面倒を見てもらっている
・マザーは戦争などで親を亡くした、多くの孤児を抱えている、みんなのママ的な存在
・カルメルはエルバフに来た修道女。しかし裏で別の組織と繋がり、エルバフを乗っ取ろうとたくらんでいる
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